AI活用アクションプランの平成30年度改定版について
今月1日、特許庁から、AI活用に向けたアクションプランの平成30年度改定版が公表されました。
同アクションプランは、昨年4月27日に公表されておりましたが、今回はその改訂版であります。
改定版では、同アクションプランに含まれていたいくつかの業務についての見直しが行われています。
例えば、特許分類付与、先行技術調査(検索式作成支援)について前倒しで導入フェーズに入る点、電話応答、先行図形商標の調査などについて導入準備に向け、実証事業を継続する点などが挙げられています。
前回のアクションプランでは、発明の内容理解、登録可否判断などの特許審査の中核部分にもAIが活用される点が挙げられていましたが、今回の改定版では、これらの業務はAI技術の進展を注視するとされただけにとどまり、アクションプランには記載されなくなりました。
当初のアクションプランに特許審査の業務が記載されたときは、AI審査が実現されるのかと思ってみたものですが、まだまだ先のことのようです。
特許分類の付与や先行技術調査はAI活用(機械学習の活用)による効率化の実現性が高く、それゆえ、前倒しで導入フェーズに入ってくると思われますが、これらに比べると、特許審査へのAI活用は、ハードルが高く、それゆえ、アクションプランにすら記載されなくなったものと思われます。
特許庁では、特許審査の判断・検討などのすべてをAIに任せることを想定しているように思え、そうすると実現までのハードルはかなり高くなりそうですし、全部機械任せの審査、というのはどうかな?とも思えます。全部ではなくて一部分だけにAIを活用し、そうすることで審査のスピードアップ、効率向上ということになればもっと実現の可能性が見えてくるはずです。こっちの方が実現の可能性は高いですし、AI活用の利点を最大限生かせると思います。
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