特許庁における人工知能技術の活用に関するアクションプランについて
特許庁は、今月27日に人工知能技術の活用に関するアクションプランを公表しました。特許庁では、昨年から人工知能技術を活用した業務の効率化に関する検討が進められていましたが、今年から具体的な動きが出てきました。
特許庁には、現在、892の業務があるとのことですが、そのうち、670の業務でシステム化が済んでいて、その残りのうち、182の業務がAI無しのシステム化で対応可能であり、それ以外で、業務量が多くAIによる学習が可能な20の業務が選ばれています。
選ばれた20の業務は、出願等の受付、方式審査、4法に関する電話対応業務や、特許と意匠の分類付与が主な対象となっていますが、特許や意匠の先行技術調査や、特意商の登録可否判断も対象になっています。
電話対応や分類付与は、AI対応による効率化が比較的早期に進むと思います。先行技術調査に関してすでに検索技術が機械化されていますが、検索に必要なデータ(検索式、発明の概念を示す文書)の作成に人の手が関わっており、そこの機械化が進めば、AIを活用しなくても機械化されると思います。
登録可否判断は、訓練を積んだ人(審査官・審判官)がやる業務であり、長年の経験やスキルが必要ですので、機械化が難しそうですが、AIに学習させるだけのデータがたくさんありますので、どういうデータを使ってどうやって学習させればいいのかが、決まってくれば AI活用による機械化は可能だと思います。この部分こそ、AI活用による効率向上が最も期待できる業務ではないかと思います。近い将来、特意商の審査にAIが導入され、審査の機械化が進むと思います。
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