特許庁審査官の人数の推移等について
特許庁HPでは、出願件数等の各種統計が特許行政年次報告書として公表されています。その中に特許庁内部の審査官等の定員の推移が公表されています。
それには、平成14年から平成23年までの審査官の人数の推移が含まれています。
それによると、特許・実用新案を担当する審査官は、平成14年に1105人であったところ、平成22年には1703人にまで増加しています。
9年間で1.5倍になった計算です。
一方、特許行政年次報告書には、特許出願の件数の推移も含まれています。それによると、特許出願の件数は、平成14年に約42万件であったところ、 平成22年には34.8万件にまで減少しています。
ここ9年間で特許出願は概ね2割程度減ったのに対し、審査官の人数は1.5倍になったという状況が浮かび上がります。
審査官は、審査請求のあった特許出願しか審査しません。特許出願のうち、審査請求の行われる件数の割合(審査請求率)は、毎年概ね65%程度です。 そうすると、審査官一人当たりの審査件数は、平成14年の時点では概ね247件(42万×0.65/1105)ですが、これが平成22年になると、概ね133件(34.8万×0.65/1703)にまで減少します。
審査官1人当たりの審査件数が9年間で47%も減った計算になります。
審査官一人当たりの審査件数が247件というのは、かなり異常な数字であり、これが133件にまで減少したことで、正常な値になったという見方もできますが、 そうであれば、審査官は、今まで以上に審査の質を高めべきであり、迅速な審査を行ってしかるべきであると思います。
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